敏感肌ケア研究所では、元化粧品メーカー研究員が「敏感肌でもスキンケアを楽んでほしい」という想いを込めて、敏感肌のための正しい美容情報を発信しています。
今回のテーマは『肌のターンオーバー』
私たちの肌は常に生まれ変わっています。
今回は、そんな肌の生まれ変わり「ターンオーバー」について、わかりやすく解説します!
ターンオーバーとは?
私たちの肌は常に新しい細胞を作り出し、古い細胞を表面から押し出しています。
このように肌の細胞が新しく生まれ変わるサイクルのことを「ターンオーバー」といいます。
皮膚の構造
皮膚は、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造になっていて、皮下組織の下は筋肉です。
皮膚の一番外側の表皮は、さらに「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4層に分かれています。
肌の生まれ変わり=ターンオーバーは、肌の一番外側にある「表皮」の中で起こります。
ターンオーバーのサイクル
表皮の一番奥の基底層では表皮のもとになる基底細胞が細胞分裂を繰り返しています。
分裂した細胞は横に広がりながら、有棘層→顆粒層へと押し上げられていきます。
顆粒層まで上がった細胞は死細胞となり、角質細胞として角質層を形成。その後、垢となって剝がれ落ちます。
一般的に、基底細胞が分裂して生まれてから角質細胞になるまでが約14日間、そこから角質が垢になって剥がれ落ちるまでが約14日間、トータル約28日間のサイクルで生まれ変わるといわれています。
このサイクルは、加齢によってだんだん遅くなり、生活習慣や肌の状態によっても変わります。
また、身体の部位によっても異なり、一番早いのは唇で3~4日、一番遅いのはかかとで顔の肌の約3倍もの時間がかかると言われています。
ターンオーバーの乱れによる肌トラブル
ターンオーバーは遅すぎても早すぎても、さまざまな肌トラブルの原因になります。
ターンオーバーが遅くなるとどうなる?
ターンオーバーが遅くなると、古い角質が肌表面に長く留まって新しい細胞が表面に出てこれなくなるため、以下のような肌トラブルが起こりやすくなります。
くすみ
古い角質が溜まることで、肌の透明感がなくなり、くすんで見えるようになります。これにより、顔色が暗く見え ることがあります。
シミ・ニキビ跡
シミやニキビ跡の原因となるメラニンも、ターンオーバーが遅くなると排出されずに、古い細胞とともに蓄積されます。これが繰り返されると、色素沈着が起こり、シミやニキビ跡の原因になります。
乾燥
古い角質が剥がれ落ちにくくなると、肌の保湿機能が低下し、乾燥しやすくなります。乾燥は、かゆみやひび割れの原因となり、敏感肌のトラブルを悪化させることがあります。
毛穴の詰まり
古い角質が毛穴を塞ぐことで、皮脂が詰まりやすくなります。これが原因でニキビや黒ずみが発生することがあります。
肌のゴワつき
ターンオーバーが遅くなると、角質が厚くなり、肌がゴワゴワとした質感になります。これにより、化粧のノリが悪くなり、肌のなめらかさが失われます。
ターンオーバーが早すぎるどうなる?
肌のターンオーバーが早すぎると、以下のような肌トラブルが起こりやすくなります。
バリア機能の低下
新しい細胞が十分に成熟する前に表面に出てくると、肌のバリア機能が弱くなります。これにより、外部からの刺激に対して肌が過敏になり、乾燥や炎症が起こりやすくなります。
炎症や赤み
未成熟な細胞が表面に出ることで、肌が赤くなりやすくなります。特に敏感肌の場合、炎症が頻繁に起こることがあります。
乾燥
ターンオーバーが早すぎると、肌が十分に保湿されないまま新しい細胞に置き換わるため、肌が常に乾燥している状態になります。
肌荒れ
ターンオーバーが早すぎると、肌の表面が常に新しく未熟な細胞で覆われるため、肌荒れや細かな傷が生じやすくなります。
ターンオーバーが乱れる原因
ターンオーバーが乱れる原因としては、以下のようなものが挙げられます。
加齢
年齢を重ねるとともに、一般的に肌のターンオーバーは遅くなります。個人差はありますが、若い頃は約28日周期で行われていたターンオーバーが、30代以降になると徐々に遅くなり、40代では約45日、50代では約55日以上になることがあります。
紫外線
紫外線は肌にダメージを与え、ターンオーバーを乱れさせる原因となります。紫外線によって肌が傷つくと、肌細胞の生成と移動がスムーズに行われなくなり、シミやしわの原因となることがあります。
ストレス
ストレスは身体全体に悪影響を及ぼし、肌にも影響が現れます。ストレスによってホルモンバランスが崩れると、肌のターンオーバーも乱れやすくなります。また、ストレスが原因で血行が悪くなり、肌に必要な栄養や酸素が届きにくくなることもあります。
不規則な生活習慣
睡眠不足や不規則な食生活、運動不足などの不規則な生活習慣もターンオーバーを乱す原因となります。特に睡眠不足は、肌の再生を妨げ、ターンオーバーのサイクルを乱します。
誤ったスキンケア
過剰な洗顔や誤ったスキンケアも、ターンオーバーを乱れさせる原因となります。例えば、洗浄力が強すぎる洗顔料を使用したり、アルコールを多く含む化粧品を使ったりすると、肌のバリア機能が低下し、ターンオーバーが正常に行われなくなる場合があります。
ホルモンバランスの乱れ
生理周期や妊娠、更年期などによるホルモンバランスの変化も、ターンオーバーに影響を与えます。特に女性はホルモンの影響を受けやすく、ホルモンバランスが崩れることで肌トラブルが発生しやすくなります。
ターンオーバーを整えるポイント5つ
①正しい洗顔
肌にやさしい洗顔料でこすらず優しく洗顔し、過剰な皮脂や汚れをしっかり取り除きましょう。過度な洗顔は避け、洗顔後はすぐに保湿しましょう。
②しっかり保湿する
肌のバリア機能をケアするために保湿は欠かせません。セラミドやヒアルロン酸などの高保湿成分を含む化粧品で、肌のうるおいを保ちましょう。
③紫外線対策
紫外線は肌にダメージを与え、ターンオーバーを乱す原因となります。外出時には日焼け止めを忘れずに使用し、帽子や日傘で物理的に紫外線を遮ることも効果的です。
④栄養バランスの取れた食事
ビタミンやミネラルを豊富に含むバランスの取れた食事を心がけることで、肌の健康を内側からサポートできます。
特に、粘膜や皮膚を健康に保つビタミンB群を多く含む食材(マグロ・カツオ・卵・納豆・乳製品など)がおすすめです。
⑤規則正しい生活
寝不足は肌のターンオーバーを低下させる原因となるため、十分な睡眠をとり、規則正しい生活を心がけましょう。ストレスは肌に悪影響を与えるため、リラックスできる時間を作り、ストレスを軽くすることも重要です。
まとめ
今回の記事では、肌のターンオーバーの仕組みと、ターンオーバーの乱れによる肌トラブルの原因と対策について解説しました。
肌のターンオーバーを意識して、健康なサイクルを維持することで、敏感肌のトラブルを軽減することができます。
毎日のスキンケアと生活習慣を見直し、健やかな肌を目指しましょう♪
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