敏感肌ケア研究所では、元化粧品メーカー研究員が「敏感肌でもスキンケアを楽しんでほしい」という想いを込めて、敏感肌のための正しい美容情報を発信しています。
今回のテーマは『敏感肌タイプ別対策法』
自分の肌のタイプに合わせた正しいケア方法を知ることは美肌への第一歩です。
今回は「乾燥性敏感肌」「脂性敏感肌」「感覚過敏肌」の3つの敏感肌タイプについて、それぞれの特徴と効果的な対策方法を詳しくご紹介します。
あなたの肌にぴったりなケアを見つけて、健やかで美しい肌を目指しましょう!
敏感肌とは
敏感肌には皮膚科学的に明確な定義はありませんが、一般的には「外部からの刺激に対して過剰に反応してしまう肌状態」をさします。
刺激に対する閾値が下がり、健康な肌の方に比べて少しの刺激で赤み・かゆみ・痛み・ひりひり感などの不快な症状を感じやすくなる状態です。
敏感肌の主な原因は肌のバリア機能の低下です。
バリア機能とは、アレルゲンや細菌などの異物が皮膚に侵入するのを防いだり、皮膚の内側の水分が蒸発するのを防いだりする働きのこと。
バリア機能が低下すると、通常は問題ないようなちょっとした刺激でも、肌トラブルが起こりやすくなります。
※敏感肌についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶ 敏感肌ってどんな肌?【薬剤師が徹底解説】
敏感肌の分類
皮膚の特性から敏感肌を分類すると、「乾燥性敏感肌」「脂性敏感肌」「感覚過敏肌」の3つのタイプに分けられます。
感覚過敏症状は、少しの刺激でピリピリ感やむずむず感などを感じやすくなる症状で、どのタイプの敏感肌にも共通して見られます。
①乾燥性敏感肌
角層のバリア機能が低く、乾燥していて皮脂量が少ない肌で、乾燥による粉ふき・かゆみ・赤みや感覚過敏症状が多く見られます。敏感肌の中で最も多いのがこのタイプです。
乾燥性敏感肌の特徴
- 肌のバリア機能が低下し、水分が逃げやすいため、乾燥しやすい
- 洗顔後やお風呂上がりに乾燥して肌がつっぱる
- 乾燥によって赤みやかゆみが起こることがある
- 肌がかさついて白っぽくなったり、粉をふいたようになることがある
- バリア機能が弱まっているため、外部からの刺激に敏感になりやすい
乾燥性敏感肌の対策方法
- 保湿力の高い化粧品を使用する
- 敏感肌用・低刺激の化粧品を使用する
- 低刺激の洗顔料で、肌に負担をかけないようにやさしく洗う
- 洗顔後はすぐに保湿する
- 室内の湿度を保つために加湿器を使う
②脂性敏感肌
角層のバリア機能が低く、皮脂量が多い肌で、症状としては赤みやかゆみ,感覚過敏症状,ニキビなどが見られます。皮脂が多くても肌の内側は乾燥しているので、スキンケアでしっかり保湿することが重要です。
脂性敏感肌の特徴
- 皮脂の分泌が多く、肌がベタつきやすい
- 肌表面はテカテカするのに肌の内部は乾燥している(インナードライ)
- 洗顔後は肌がつっぱるが、時間がたつとベタつく
- ニキビや吹き出物ができやすい
- 毛穴の目立ちが気になる
- 外部からの刺激に敏感で、赤みやかゆみが生じやすい
脂性敏感肌の対策方法
- 刺激の少ない洗顔料で1日2回洗顔し、余分な皮脂を落とす
- 洗顔後はしっかり保湿する
- アルコールなどが配合されていない低刺激の化粧品を使用する
- ニキビ予防や肌荒れ防止の有効成分が配合された薬用化粧品を使用する
- ノンコメドジェニックテスト済みの化粧品を選ぶ
ノンコメドジェニックテストとは、コメド(ニキビのもと)ができにくい製品かどうかを評価する試験のこと(すべての方にニキビができないわけではありません)
③感覚過敏肌
角層のバリア機能は正常で、見た目は健常肌と変わらない肌ですが、健常肌とは違って感覚過敏症状があり、化粧品や温度変化などの刺激に対してピリピリ感やむずむず感といった不快感を感じるという特徴があります。
感覚過敏肌の特徴
- 健常肌と変わらない見た目
- 化粧品の使用で肌に刺激を感じることがある
- 温度変化に対してかゆみやピリピリ感などの刺激を感じやすい
- 物理的な刺激(衣類の摩擦など)に対して不快感を感じやすい
感覚過敏肌の対策方法
- アルコールなどが入っていない低刺激の化粧品を使用する
- 肌に優しい素材の衣類を選び、摩擦を避ける
- 温度変化の少ない環境を維持する
- スティンギングテスト済みの化粧品を選ぶ
スティンギングテストとは、敏感肌の方を対象に商品の使用中にひりつきやかゆみなどの感覚刺激がないことを確認する試験のこと(すべての方に刺激が起こらないわけではありません)
まとめ
今回は「乾燥性敏感肌」「脂性敏感肌」「感覚過敏肌」の3つの敏感肌タイプについて、それぞれの特徴と効果的な対策方法をご紹介しました。
私自身も「乾燥性敏感肌」と「感覚過敏肌」を行ったり来たりしていますが、敏感肌の方は季節や環境の変化によっても肌状態がゆらぎやすいので、今の自分に合った方法でケアすることが重要です。
ここで紹介した内容を参考に、定期的に今のケアを見直して、健康的な肌を目指しましょう!
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参考文献
1)セラミドに着目した敏感肌のスキンケア,對間秀利 著,日本香粧品学会誌 Vol. 45, No. 3, pp. 201–208,2021
2)皮膚科医から見た敏感肌,江藤隆史, 日本香粧品学会誌, Vol.29, No.2,125-129, (2005) https://www.jcss.jp/journal/pdf/2902/2902_125.pdf
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